2023.04.28

家を買う予算の立て方と資金調達の方法

家を買うときは、高額な費用がかかります。家の購入によって家計が苦しくなるのは、絶対に避けたいですよね。今回は家を買う予定の方に向けて、予算の立て方と資金調達の方法を解説します。

家を買う予算の立て方

家を買う予算の立て方

家を買うときは、「住宅ローン借入額」と「住宅資金」という2種類の予算を立てる必要があります。次の項目からは、住宅ローン借入額と住宅資金の予算の立て方について解説します。

家を買う予算①住宅ローン借入額の予算

家を買うときには多くの方が住宅ローンを利用します。住宅ローンの借入額が高額すぎると、後々の返済が厳しくなってしまいます。家の購入を決めたら、無理なく返済できる借入額の予算を立てましょう。

住宅ローン借入額の予算の立て方は、以下の2つの方法があります。

  • 年収から予算を立てる
  • 家計収支から予算を立てる

年収から計算する方法は、一般的な目安になる借入額です。家計収支から計算する方法は、より現実的な借入額をつかむことができます。

年収から予算を立てる

年収から予算を立てる際は、返済負担率を使って計算します。返済負担率とは住宅ローンの返済額(年間)が年収に占める割合です。

返済負担率=住宅ローンの返済額(年間)÷年収

一般的には「返済負担率が25%以内であれば安心」といわれています。金利2%・35年返済の住宅ローンを組んだ場合、返済負担率が25%になる借入額は以下の通りです。

年収年間返済額
(年収×返済負担率25%)
毎月返済額
(年間返済額÷12ヶ月)
借入額
(金利2%・35年返済)
500万円125万円10.4万円3,139万円
600万円150万円12.5万円3,773万円
700万円175万円14.5万円4,377万円
800万円200万円16.6万円5,011万円
900万円225万円18.7万円5,645万円
1,000万円250万円20.8万円6,279万円

年収から導き出した返済額は、あくまで一般的な目安です。無理なく返済できるかどうかは、家計収支の視点からも考える必要があります。

家計収支から予算を立てる

家計収支から毎月返済できる金額を割り出して、住宅ローンの借入額の予算を立てる方法もあります。「現状の家計収支」と「家を購入した後の家計収支」を比較すると、毎月返済できる金額が見えてくるでしょう。

現状の家計収支が赤字になっている場合は、節約できる支出がないか確認します。住居費が高い場合は、家を購入した後の住居費を今よりも抑えなければなりません。

家を購入した後の住居費は、住宅ローンの返済以外に固定資産税や都市計画税がかかります。さらにマンションの場合は、管理費や修繕積立金などの支払いも必要です。持ち家と賃貸では負担する住居費が異なります。

また、将来の資金形成についても考えておかなければなりません。子どもの大学進学時や退職時は、家計に大きな負担がかかります。出費がかさむ時期や収入が減る時期に備えて、「毎月いくら貯金が必要か」ということも意識しましょう。

住宅ローン借入額の予算を立てる際の注意点

注意点は「金利の低さだけで住宅ローンを選んではならない」ということです。住宅ローンは金利を上乗せして返済しなければなりません。同じ借入額であっても金利によって総返済額が変わります。たとえば変動金利は低金利ですが、金利が上昇したときに返済額が上がってしまうリスクがあります。

家を買う予算②住宅資金の予算

家を買うときは、まとまった住宅資金が必要です。しかし全財産を住宅資金に充ててしまうと、資金繰りが苦しくなる恐れがあります。家計を維持していくためには、住宅資金の予算を立てて自己資金をいくら残せるか試算しましょう。

住宅資金は、以下の2つの費用に分類できます。

  • 諸費用の予算
  • 頭金の予算

諸費用の内訳や頭金の計算方法について詳しく解説します。

諸費用の予算を立てる

諸費用とは、家の購入代金とは別に支払う費用を指します。家を購入する際にかかる諸費用の内訳は以下の通りです。

  • 仲介手数料
  • 登録免許税
  • 司法書士報酬
  • 不動産取得税
  • 印紙税
  • 固定資産税など精算金
  • 住宅ローンの事務手数料
  • 住宅ローンの保証料
  • 火災保険料
  • 物件調査料

1つずつ概算を出すこともできますが、諸費用には目安があります。たとえば土地付き注文住宅と建売住宅の諸費用の目安は以下の通りです。

  • 土地付き注文住宅…(土地代+建築工事費)×10~12%
  • 建売住宅…物件価格×6~9%

頭金の予算を立てる

住宅資金の予算を立てる際は、頭金についても考えなければなりません。頭金とは物件価格のうち自己資金から支払うお金です。物件価格から住宅ローン借入額を差し引いた金額が頭金になります。たとえば5,000万円の家を購入するために住宅ローンで4,500万円を借り入れた場合、頭金は500万円です。

頭金を入れるメリットは、住宅ローンを返済する負担を軽減できることです。頭金が多ければ多いほど住宅ローン借入額が減るため、月々の返済額も減ります。頭金を多く入れると、低金利で借りられる住宅ローンもあります。

頭金の目安は物件価格の10〜20%くらいです。2021年度の「フラット35利用者調査」によると、フラット35利用者の所要資金額は3,745万円、手持ち金は407万円が平均値となっています。所要資金額に対する手持ち金の割合を求めると、頭金の平均割合は約10.8%です。

住宅資金の予算を立てる際の注意点

貯蓄から住宅資金を支払って、手元にいくら残るか計算しましょう。手元に残った金額から必要な生活費を捻出できるか確認することが注意点です。

貯蓄-住宅資金(諸費用+頭金)≧必要な生活費

必要な生活費には、引っ越し費用・家財の購入費・生活予備費が含まれます。引っ越し費用と家財の購入費はあわせて50〜100万円程度かかることが多いです。生活予備費は生活費6ヶ月分程度を手元に残しておきましょう。倒産や病気など、万が一のリスクに備えることが大切です。

家を買う資金調達の方法

家を買う資金調達の方法

家を買うときは、さまざまな方法で資金調達を行います。主な資金調達の方法は、以下の4種類です。

  • 自己資金による資金調達
  • 公的融資による資金調達
  • 民間融資による資金調達
  • 親の援助による資金調達

次の項目からは、4種類の資金調達方法について詳しく解説します。

自己資金による資金調達

自己資金による資金調達は、貯蓄から捻出するのが基本です。これから自己資金を貯めたい方は、積立貯金やNISAなどの方法があります。

積立貯金は毎月一定の金額を積み立てていく方法です。預金からの自動振替になるため、貯金が苦手な方もコツコツと自己資金を貯められます。NISAは少額投資非課税制度といって、一定額の投資に対する利益が非課税になる制度です。税金の優遇を受けられる分、自己資金を増やしやすいでしょう。

貯蓄だけに絞らず分散投資をすることが、効率的に自己資金を増やすポイントです。

公的融資による資金調達

住宅金融支援機構が提供している「財形住宅融資」という公的融資制度があります。財形貯蓄の預け入れをしている方が対象で、要件を満たした場合のみ利用できます。

金利タイプは固定金利で、5年ごとに金利が見直される仕組みです。他の住宅ローンよりも低金利で、事務手数料や保証料がかからないメリットがあります。

民間融資による資金調達

民間融資は、民間金融機関が提供する住宅ローンになります。民間融資は選択肢が多く、自分に合った商品を選べるのがメリットです。

民間金融機関と住宅支援機構が提携して融資を行う「フラット35」を利用する方法もあります。フラット35は全期間固定金利で、返済期間中の金利が変わりません。

親の援助による資金調達

親の援助を受けて資金調達をする方も少なくありません。公的融資や民間融資のように返済する必要がないので、家計の負担を減らすことができます。

ただし親から援助を受ける場合は、贈与税がかかる点に注意しなければなりません。親から受けた住宅資金援助のうち、最大1,000万円までの贈与が非課税になる特例があります。特例の適用を受けるためには申請が必要となるため、手続きを忘れないようにしましょう。

まとめ

まとめ

家を買うときは住宅ローン借入額と住宅資金をシミュレーションして、無理のない予算を立てることがポイントです。

長町住宅展示場「緑と風のガーデン」はザ・モール仙台長町パート2(宮城県仙台市太白区)隣にある総合住宅展示場です。12棟のモデルハウスを展示しており、新築注文住宅はもちろん、建替や二世帯住宅・賃貸併用住宅などもお気軽にご相談ください。また住まいづくりに関するイベントやサステナブルなマルシェも開催しています。

家づくりをお考えの方は、長町住宅展示場「緑と風のガーデン」にお気軽にお越しください。

※この記事は2023年4月現在の情報を基に作成しています。今後変更されることもありますので、ご留意ください。

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